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ニュース

第13回 附置研センター シンポジウム 岡山講演会

微細な孔で温暖化防止

YOMIURI ONLINE 企画・連載 ~ 京大起春風 附置研シンポ2月21日掲載

 

複数の原子が組み合わさった高分子化合物の膜には、微細な孔(あな)が開いています。この孔を使って水を浄化したり、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素(CO2)をより分けたりといった研究に取り組んでいます。

子どもの頃からパズルが好きでした。ピースを組み合わせて答えにたどり着く喜びは、材料や条件を変えて高分子化合物の膜を作る現在の研究にも通じています。

2000年、高分子工学で著名だった当時の橋本竹治教授の研究に興味を持ち、4年間、京都大で研究しました。人の誠実さやユニークな文化に触れ、その後も日本と深く関わることとなりました。

08年に英国のケンブリッジ大で初めて自分の研究室を持ったことが、CO2分離膜の開発に取り組むきっかけになりました。それまで単なる探究心から研究していましたが、研究室のリーダーになったことで、成果を社会に役立てたいと思ったのです。

 火力発電所などの排ガスからCO2を取り除くには、液体に吸着させる方法もありますが、大規模な装置が必要でコストがかかります。膜による分離も時間がかかることが難点でした。

13年に再び京大に来て、CO2を高速で透過させ取り除く膜を開発しました。CO2を通しやすい構造を持つ多孔性物質を組み込んだ成果です。早く実用化するため、今年中にも自ら会社を設立し、製品化を目指します。私にとって研究とは違う新しい大きなパズルです。 

将来は、高分子化合物の膜によって人工腎臓や人工肺を作ることが可能になるでしょう。この研究を通じ、将来世代まで健康に暮らせる世界を作ることに貢献したいと思っています。

 

  • 英国出身。英ケンブリッジ大卒。米テキサス大などを経て、2013年に京都大物質―細胞統合システム拠点准教授。16年から同教授。

 

 

 

 

 

 

 

 

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