地球温暖化の影響
地球温暖化とはここ100年の間に地球上の大気や海水の温度が上昇し、地球の気候体系が変わっていっている現象の事を言います。現在地球温暖化が実際に起こっている事は世界的に認識され、大気中に温室効果ガスが過剰排出されている事が要因であるという事が分かっています。二酸化炭素・窒素・亜酸化窒素といった温室効果ガスは、地球大気圏から逃れるはずの熱を大気中に閉じ込めます。過去50年の地球温暖化現象の主な要因とされるこれらの温室効果ガスは石炭・石油といった化石燃料の過剰使用、森林伐採や農業等人の手によって生み出されていると考えられており、年間370億メトリックトン(1メトリックトン=1000kg)の二酸化炭素がこれらの活動によって放出されています。地球大気の二酸化炭素レベルは1700年の産業革命当初に比べて34%上昇しています。
分野別年間温室効果ガス排出量
世界で排出される温室効果ガスの割合
国別二酸化炭素放出量 (2011)
平均気温の上昇
今日様々な形で地球上で起きている地球温暖化の影響を見て取る事ができます。地球全体の平均気温が過去100年余りの間に突然上がった事:太平洋を含め世界中の海水温度が急激に上昇している事: が挙げられます。例えば、地球の平均気温はこの100年余りの間に0.4℃〜0.8℃上がっており、このままだと2100年には5.8℃上昇していると考えられます。又、気温の上昇するスピードが地球上の他の地域より早いエリアがあります。多国から成る「気候変動に対する北極気候の影響評価プロジェクト (ACIA) 」によると2000年から2004年のアラスカ・西カナダ・ロシアの平均温度上昇率は世界平均の2倍であると報告されています。熱中症による死亡も10年前より2000%と深刻になっており、2000年から20100年の間に死亡は150,000に上がると予想されています。
異常気象現象
科学の世界では世界中の異常気象が予測されています。多くの国で史上最も暑い夏が観測され、一部の国では冬の気温が通常より低くなっています。地球温暖化の影響で冷たい大気と暖かい海水の間の温度差が増し、世界中の国で大きなハリケーンが起きました。又、地球温暖化による干ばつ、逆に降水量の激増による洪水といった被害が世界各地で起きています。地球温暖化によって大変大きな気候モデルの変化が世界レベルで起こっているのです。
氷河融解
地球温暖化の影響として最も懸念されている事の一つとして北極圏の氷河融解があります。2012年の北極圏の氷河は史上最小の範囲を記録しています。気候モデルの変貌により、2040年又はもっと早い時期に北極圏の氷河は完全に消失する事が予想されています。
海面レベル
近年、北極圏・南極圏の氷河の融解が加速し海水レベルが急激に上がっており、それに伴ってグリーンランド・アラスカ・ヨーロッパやアジアの氷河も溶け続けています。2014年に世界気象機関が観測した海水レベルの上昇率は20世紀の年間平均上昇率である0.07インチの2倍であったと発表されています。海水レベルはこの100年で7インチ以上上昇しており、これはそれ以前の2000年間で上がった海水レベルを超えています。この現象で懸念されている主な問題はこのまま海面上昇が進むと沿岸部に暮らす人々の生活の場が水没する恐れがあるという事です。今世紀末には7〜23インチの海面上昇が予想され、アメリカの環境保護庁のレポートによるとその上昇はニューヨークで2.3 feet (約70cm)・ハンプトンロードで2.9 feet(約88 cm)・テキサスのガルベストンで3.5 feet (約 1 m)に及ぶとされています。
透過膜とは? 透過膜はどのように地球温暖化問題解決の役に立つのか?
ガス分離のための透過膜は気体中のガスを選択的に分離して透過させます。様々なガスが混じった気体から 有機膜・無機膜で作られた膜組織で透過するものとしない物にに分けて効果的に分離・選択するというものです。通常の膜は無孔ですがこの膜は気体中の混ざっている分子がサイズ・拡散性・溶解性によって分離されていきます。
私たちは無孔で選択制のない通常の膜の上に超極薄の細胞膜を適用することで、ハイガス束の気体を選択的に透過する透過膜にすることを可能にします。従来の膜は二酸化炭素の浸透性が低く、必要とされる膜面積が大きすぎる為、1000 GPUを超えるこの二酸化炭素高浸透性膜をガス透過膜に用いることは地球温暖化防止対策として必要不可欠であると考えます。