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水とエネルギーの相互関係

水の重要性・・・水がないと生きていけません。

水の分子H2Oは、水素二つと酸素一つの原子でできています。シンプルな構造に見えるこのH2O(水)は、私達の生命に絶対に欠かすことが出来ない要素であり、私たちの体は生命を維持するために脱水症状を防ぐ特殊な水不足管理システムを持っています。

私たちの体は体重の3分の2が水で構成されており、水がなくなると私達は数日で死に至ります。細胞や内臓は水無しでは機能しないのです。例えば、脳の83%、血液の94%,そして肺の85%は水を使って機能しており、たとえ2%に満たない量であっても、体内の水供給量が落ちたら私達の体は脱水症状を起こします。その症状は忘れっぽくなる、基本的な算数が出来ない、コンピューター画面等で小さな文字や物を見る際に焦点が合わない、といった症例が挙げられ、アメリカでは約75%の人が慢性の軽い脱水症状であると言われています。飲料水や水道水へのアクセスが完備された先進国でこの様な報告があるのはかなり驚きです。ガソリンがない車が走らない様に、水無しで人の体は機能しないのです。実際に、人体構造や生理機能を司る細胞や臓器は全て水によって機能しているのです。

飲料水へのアクセス・・・その需要は増大しています。

貧しい都市や農村地では毎年多くの人々が安全な飲料水へのアクセスが得られずに苦しんでいます。その様な地域の多くでは、女性や子供が何マイルも歩いて川や池に水を汲みに行かねばならなかったり、水を媒介とした病気が蔓延したりしているのです。

  • 世界人口の80%は地球上の最も乾燥した地域に住んでいます。
  • 7億6800万人が清潔な水へのアクセスがありません。
  • およそ25億人の人々が適切な衛生施設へのアクセスがありません。
  • 毎年600~800万人の人が水関連の疾患から死亡しています。

水の需要は飲み水だけではありません。

人間の生活において、水は飲料水としてだけでなく、農業やエネルギー生産といった面でも必要不可欠です。世界の真水供給量の70%は農業で使われており、農業用水の供給は世界人口の増加や地下水の過剰採集によって切羽詰まった状況になってきています。

又、水はエネルギー生産においても多くの重要な役割を担っています。原油を地下から汲み出す、タービン(原動機)を回す、発電のために蒸気を起こす、燃料の燃え殻を洗い流す、発電所の冷却を含む多くの場面で水が使われています。例えば、アメリカだけを見ても石炭発電所は1日に500億リットルもの真水を消費しており、それを電力に換算した場合、電気1kw時を起こすのにおよそ100リットルの水を使っている事に相当します。もう少しわかりやすい例えとして、60ワットの電球を12時間使う為に60リットルの水を使っているのと同じ事になるのです。

エネルギーのための水・・・水のためのエネルギー

水とエネルギーは相互に繋がり、関連し合っています。水によってエネルギーが起こされ、真水を供給するのにエネルギーが不可欠で、それらは輸送、流通、水処理や灌水の最終用途に使われています。経済、人口の増加、気候変動が互いに影響を増幅していく上で、どの資源も需要の増大と多くの地域における制約に直面しています。

組織膜を基盤とした処理・・・その役割は水とエネルギーの相互関係において重要です。

組織膜を基盤とした処理は、海水の淡水化や浄水テクノロジーにおいてとても重要な役割を担っています。それは持続可能な発電等の先端テクノロジーでも同様で、自然塩分濃度勾配と廃熱から起こす発電において、組織膜を使った処理は重要な役割を担っています。従って、組織膜を使ったテクノロジーは水とエネルギーの根深い関係を紐解く上で大きな可能性を秘めているのです。

組織膜処理を使ったテクノロジーの一つに、海水の脱塩処理に広く使われている逆浸透膜テクノロジーがあります。逆浸透膜テクノロジーは、大多数の汚染物質や塩水の塩分といった溶質を、半透過性の膜を通して押し出すことによって抽出する処理を行うのに用いられます。逆浸透テクノロジーは逆方向に浸透処理を行います。浸透はエネルギーを使わず自然に起こる一方で、逆浸透はより多くの塩水を逆方向に浸透させる為にエネルギーを使用しなければなりません。逆浸透膜は大多数の塩分、有機物、細菌や発熱物質を防いだ状態で水分子をろ過させることを可能にするフィルターなのですが、脱塩、脱イオンといった淡水化を逆浸透膜の性質だけでは行えず、エネルギーを使って逆浸透膜に圧をかけて水を押し出さなければなりません。

他には、新しい組織膜基盤の処理に、浸透圧発電(PRO)という塩分濃度勾配によって持続可能なエネルギーを起こす処理があります。逆浸透膜による処理では真水を生成するのに電気を必要としますが、浸透圧発電による処理においては濃度や塩分の異なった水を混ぜる事でエネルギーを生成しながら処理が行われるのです。浸透圧発電法は、濃度の違う塩水を混ぜるだけで大量の再生可能なエネルギーを起こすことが実現する可能性を秘めた組織膜処理なのです。

浸透法の性質により、塩分の少ない水が組織膜を通って予圧状態である塩分の多い側に流れ、それによって作り出された高圧な流れがタービンに送られて始動し、電力を集めます。真水が塩水に流れ出た時に大変大きなエネルギーを発するのです。組織膜を通って塩水側に移った真水は塩水側の圧力を上昇させ、それによって水を約270メートル持ち上げます。1立方メートルの真水が海へ流れ出ると大体0.7から0.75キロワット/時(2.5から2.7メガジュール)のエネルギーが放出されます。つまり、1立方メートル/秒の真水は2.5から2.7メガジュールのエネルギーを起こせるという事になります。全世界の川が海へ排出する平均流量を考えると、浸透圧発電は1650テラワット/年のエネルギーが生み出せると報告されています。これは現在の年間水力発電量の約半分に相当します。

 

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