Pureosityは現存する科学に対する概念を超え、人と科学の交わり方を変える様な科学技術の創造を目指します。
クリーンテクノロジー(地球環境問題の対策になる科学技術)が、発展途上国でも手に届く価格にならないのだとしたら、クリーンテクノロジーで地球環境問題は解決できない。Pureosityはそのように考えます。
クリーンテクノロジーを発展途上国の環境ニーズに合わせた科学技術に開発したい。これはPureosityが目指す技術革新の大きな挑戦の一つです。「発展途上国の環境ニーズに合う」というのは、発展途上国の経済水準に合う価格というだけではなく、その多様な生活環境に適正でなければなりません。この挑戦は科学の分野を超え、他分野との共同開発が必要不可欠なものとなります。
グナワン セティア プレハンダナ。彼は、私達のこの大きな挑戦に取り組んでいるPureosityメンバーです。
発展途上国において、安全で清潔な生活用水を確保する事は、最低限の生活水準を確保する事を意味すると言っても過言ではありません。
グナワンのプロジェクト、インドネシアの水汚染問題への取り組みはPureosityがグローバルターゲットとして掲げた実践研究のプロジェクトの一つです。グナワンはインドネシアの環境ニーズに適応する分離浄水膜装置の開発に焦点を当て、仕事熱心なPureosityメンバーと共に日夜、研究と開発を進めてきました。
2017年の9月某日、グナワンはPureosity(日本)に来てから初めての帰省をしました。飛行機に乗ってインドネシアに着いた彼は、休む間もなく分離浄水膜を 持ってジャワ島の小さな村へ行き、現地での適正技術開発促進を行いました。その後もバリ島に飛び、排水システムの開発を願う小さな草木染め工場、Tarumへの視察訪問を行いました。
プロジェクト成功への鍵は、コミュニティーや他分野と力を合わせた努力。
グナワンがインドネシアでの現地活動を終え、Tarumのあるバリ島からジョグジャカルタ行きの飛行機に乗る為、空港行きのタクシーを待っている時に、今回の現地活動で何を感じたのかを聞いてみたところ、「Pureosityの分離膜浄水はインドネシアの多様な環境ニーズに適応できる、とても画期的な科学だと思います。」という答えが返ってきました。その後グナワンはきっぱりとした口調で「ただ、このプロジェクトは他の分野の、分離浄水膜を適正なテクノロジーとして構築する分野の協力が必要不可欠です。」と言いました。実際に今回、バリ島での現地活動、Tarumへの視察訪問はジョグジャカルタにあるガジャ・マダ大学・医用工学科のムスリム・マハルディカ博士と共同で行いました。ジャワ島での適正技術開発促進の際も、ムスリム博士、並びに医用工学科の生徒さん達の協力が必要不可欠であったと言います。「他分野との共同作業、それから地元コミュニティーと関わることによって、最も適正で効果的な科学技術に行き着けると思います。」グナワンは少し間を置いた後、「集合した努力が成功の鍵です」と付け加えました。
別れ際に、ふと気がついたので唐突な質問をしてみました。「Pureosityで仕事を始めてから(日本に住み始めてから)初めての帰省なのに、家族との時間が取れなかったのではないですか?家族と時間を過ごす事もインドネシアまで来た大切な理由ですよね?」
「そうですね。」といってグナワンはにっこり笑いました。「実はここから直接実家に向かうんです。Pureosityに帰って更に開発を進める前に、家族との時間を過ごします。」
私は、よく遅れるインドネシアの国内線事情を思い、グナワンが日本に戻るフライトが次の日である事を思い出し、そして、彼のフライトがオンタイムである事を心から願いました。
インドネシアの水汚染問題について・グナワンの取り組む分離浄水膜については本サイトのメニューにからグローバルターゲットを選んで頂き、Our research内の「インドネシアの水汚染問題」のページに、図や写真を使って分かりやすく書かれています。是非ご覧ください。